float


安孫子秀美

通勤や通学など、同じ日々の繰り返しに
どんどん体が重たくなり、思考が鈍る。
身体に刻まれた習慣だけで動く毎日。
そんな廻りから抜け出す。
日常をもっと軽やかに、思考や感情をもっと自由に。
退屈な毎日から浮遊し、新たな廻りを生み出す。
という思いをこめて、floatというテーマにしました。

今回のショーの廻り
というテーマから、
資源の再利用を考えました。
編み物や刺繍などをする際に
出てしまう糸端や、
中途半端に余ってしまった
リボンやボタンなどを、
生地と生地の間に入れ込み、
新たな資源として
再利用しました。
入っている糸やリボンの
組み合わせによって変わる
生地の印象に注目して
いただけると嬉しいです。

花びらを作成する際、
どんな花の形を採用するか
模索しました。
最初に作った花は、立体的で
サイズも大きめでしたが、
それだとテーマである
軽やかさや、
浮遊を連想させることは
難しいと感じ断念しました。
最終的には花びら一枚一枚を
火であぶりそれらを
組み合わせることで、
より軽やかで繊細な花を
表現することができました。