Q1.この科の特徴は?

商品の企画から生産、販売まで、ファッションビジネスにおける実務的な内容を専門的に勉強します。必須科目であるマーチャンダイジングの授業では、実際にショップを運営する立場から、顧客ターゲットや商品の方向性、オーダーする点数まで、具体的に想定してビジネスプランを構築します。その一方で、服づくりやデザインも追求しながら、さらにグラフィック、インターネットビジネス、接客など幅広く学び、ファッションを総合的に理解し、企画をプロデュースする能力を磨きます。カリキュラムを通して、ひとつの企画が服として完成するまでの流れやその仕組みを具体的に理解していきます。全体の流れを理解したおかげで、パターンに起こすのが難しい洋服に直面したときに、一番良い解決方法を提案する力も身に付きました。ここは、自分次第で可能性はどんどん広がる学科。クラスメイトには、デザイン画の授業を頑張って、デザイナーとして就職が決まった人もいます。私は今、この学科で2年かけて習得したすべての知識と技術を使って、「自分のブランドを立ち上げる」という卒業制作に取り組んでいます。
 

Q2.文化服装学院を選んだ理由は?

私は母国の韓国でシューズデザインの学校を卒業し、デザイナーとして働いた経験があります。そこでは、何かトラブルがあったとき、マーチャンダイジング(MD)担当がクライアントや工場のことを考えながら動いて解決していました。そんな姿を見て、私も服づくりの背景をもっと勉強し、MDとして仕事がしたいと思うようになりました。その後デザイナーの仕事を辞めて来日し、しばらくアルバイトをしましたが、3カ月ほどたって東京の生活にも慣れてきた頃、文化の学校説明会に参加。韓国のデザインスクール時代の恩師に勧められて以来ずっと憧れていたのですが、授業の幅が広く、他の学科とも連動したカリキュラムがあることを知って、やっぱり文化で勉強したいと思い、入学することを決めました。
 

Q3.好きな授業は?

マーチャンダイジングの授業が一番好きです。2年次にはコレクションを分析してシーズントレンドを研究し、その上で企画を立てて自由な服づくりを楽しんでいました。3年次はコンピューターで数字を扱うことが多くなり、内容も難しくなっています。でもその数字ひとつひとつがマーケティングにつながり、ブランドのコンセプトを形づくるのだということが理解できて、ますますこの授業が楽しくなりました。数字のことを考えるのは堅苦しいと思われるかもしれませんが、そんなことはまったくありません。それどころか、むしろ自由な発想を促し、頭を柔らかくしてくれるのです。
 

Q4.授業で思い出に残っていることは?

日本語でのプレゼンテーションは本当に大変でした。人前で話すのは好きなのですが、プレゼンはちょっと違う雰囲気で、やっぱり緊張します。自由研究の際は、プレゼン中にあまり話す必要のないようにすることもできましたが、あえてそうはせず、積極的に話や説明をして頑張りました。そして気づいたら、グループワークのときにはみんなからリーダーに推薦されるように。2年次も3年次もグループ発表ではリーダーを務め、スケジュール管理ややるべきことの取りまとめをしました。私はいつもこんなふうに、大変な道を進む性質です(笑)。でも、それが自分の成長につながっているのだと思います。20代半ばでの留学で不安もありましたが、思い切ってやってみて本当によかったと今は実感しています。
 

Q5.1日を円グラフで表すと?

1日のスケジュール
食事の時間をつくること、自分の時間をつくること、そしてちゃんと休むことを心がけました。忙しいときは家でも作業をしますが、家が作業場になると気持ちが落ち着かないので、できるだけ学校で集中して終わらせるように頑張りました。休みの日は、家でご飯をつくったり、カフェ巡りをしたり。2年生の頃からは、YouTubeの個人アカウントをつくって、何気ない日常や学校のこと、映画館やレストランに行ったときのことなどを配信しています。動画の編集はリフレッシュにもなって楽しいですが、将来的にそのノウハウを仕事にも活かせればいいなと思っています。
※取材内容は2022年3月時点のものです。
 

▼インタビュー動画もチェック!