卒業後はセレクトショップの販売員に
1997年に創刊した「コモンズ&センス」は、ファッションをベースに音楽、カルチャー、アートを取り込だ日本で唯一のインターナショナルファッションマガジン。現在15ヶ国28都市で販売され、そのハイセンスかつハイクオリティな誌面創りは、日本におけるファッション誌の概念を覆したといっても過言ではないほど唯一無二の存在感を放っている。2006年には「コモンズ&センス マン」も創刊され、これら二誌のエディターとして働いているのが牛島さんだ。スタイリスト科を卒業後の同年6月から入社したが、実は新卒でセレクトショップでの採用が先に決まり、2~3ヶ月ほどは販売員として働いていた経緯がある。「採用試験が1日違いであったんですが、「コモンズ&センス」の方は面接でボロボロだったので絶対にダメだと思っていました」
わずか数ヶ月遅れたタイミングで雑誌編集の世界へ
販売員として働き始めて1ヶ月も経たない時に、「コモンズ&センス」編集長から採用の連絡が入ったという。しかし、「ものすごく悩んで… 一度はお断りしたんです。でも家族や友人など周りの人たちの後押しもあり、“販売は地元に帰ってからでもできるけど、雑誌の仕事は東京じゃないとできない”ということで決意しました」 3ヶ月ほど務めた販売を辞め、志望していた編集の世界へ。もともと雑誌が好きでよく読んでいたが、文化在学時に同じクラスで今も仲の良い友人に雑誌の仕事をすすめられたのがきっかけでこの仕事を意識しだしたそう。面接では見事に玉砕し入社は絶望的だったというが、「たまたま編集長が私の字を気に入ってくれて。それが採用の理由だと聞いています」
雑用から始まり徐々に仕事を身に付けていく日々
雑誌編集について何の知識もないままに入社した当初は、入れ替えのタイミングであったこともあり、スタッフはわずか3名しかいなかったそう。雑用から始まり、ほかのスタッフに教えてもらいながら仕事を覚えていったようだ。雑誌作り以外にも百貨店やブランドのキャンペーンビジュアル制作やイベントプロデュースなどを行うこともあり、細かい雑務をこなしていくうちにPC作業にも慣れ、自力で習得していったという。「やるしかなかった状況だったので、それで覚えていきました。でも働き出して1〜2年目までは毎日泣きながら帰ってましたし、辞めたいと思ったことも何度もありました。でも地元を離れて働きだしたからにはすぐに辞めるわけにいかなかったし、(前職の)販売の人たちにも(入社してすぐ辞めてしまって)申し訳ないという思いもありました。あとは周りの人たちが応援してくれていたのも大きいですね」