内田 梨湖

バッグのデザイン、パターン、縫製技術を基礎から学び、それを応用して革や各種素材でオリジナルデザインのバッグがつくれるようになります。1年次から始まる手縫いの授業では、バッグづくりの技法を学ぶのはもちろんのこと、ペン立てや財布など革小物の制作にも取り組みます。2 年次には量産の授業でバックパックに挑戦しましたが、鞄の生産地である兵庫県の鞄メーカーからいらした先生に直接教えてもらうことで、工場での量産についても知識が深まりました。教室での授業のほかにも、金具屋や革屋、革の見本市を巡る校外学習、革なめし工場やバッグ工場を見学する研修旅行などは、とても貴重な機会。工場内でパターン制作・裁断・縫製の現場を見学したり、革が加工されていくのを見たりといった経験は、就職してからも必ず役に立ちます。また、文化には自分のファッションと作品の両方に徹底的にこだわっている、個性的な人がたくさん！特にこの科には、高校を卒業してすぐに入学する人のほか、美大卒や芸大卒、留学生など、多種多様なバックグラウンドを持つ人が集まっています。自分では思いつかないようなアイデアやデザインはもちろん、みんなの服装にも日々刺激を受けています。

美大でテキスタイルを勉強していたとき、卒業後に文化に進学することを決めていた同級生から、文化のことをいろいろと教えてもらいました。私はもともとバッグに関心があり、当時は就職活動中でバッグ企業をメインにあたっていたのですが、バッグを専門で学んできていないこともあってあまりうまくいかない状況。同級生の話に影響を受け、私も自分のつくったテキスタイルを使って大好きなバッグをつくれるスキルを身につけたい、と思うように。相談をもちかけた先生が美大卒業後に文化に進学した方だったこと、そして美大卒業後にいろいろな分野の専門学校で引き続き勉強するひとがたくさんいると知ったことで、私もまだ学校で学ぶべき内容があると思い、進路を専門学校に切り替えました。文化は知名度があって規模が大きく、何より大好きなバッグのことを専門的に学べるバッグデザイン科があるので、学校選びに迷いはありませんでした。また、著名なデザイナーをたくさん輩出していることも後押しに。

やっぱり、大好きなバッグづくりに取り組む「バッグ」の授業！ここでは、手縫いから量産まで、さまざまなタイプのバッグ制作に取り組みます。最初の基礎作品は、先生からもらうパターンに従って、クラス全員が同じバッグを制作。素材は革と決まっていますが、どの革にするかは自由に選ぶことができます。その後、授業が進むごとに課題の難易度は上がりますが、デザインの自由度も増していきます。自分の好きな素材で好きなデザインのバッグがつくれる技術が身についてくると、それまで以上に制作作業が楽しくなります！そして、「縫い返し」という技法を使う課題では、自作のテキスタイルを用いたバッグづくりに挑戦し、文化入学前からの目標を一つ達成できました。

私の夢は、バッグのデザイナーになること。人に伝わりやすいデザイン画が描けることは、その必須条件です。私は、文化に入学した時点では、頭の中にあるイメージを平面に描き起こすことがあまり得意ではありませんでした。そこでまず、頭の中で正確に想像できるよう特訓。時には自分で模型をつくって、自分の不得意を補おうと工夫しました。そして、色の付け方やツヤ感の出し方などのテクニックを先生に教えてもらったことで、徐々にレベルアップ！入学当初と比べ、デザイン画のスキルが格段に上達したと思います。周囲に素晴らしいデザインを描くクラスメイトがいたことが、モチベーションにつながっていました。